世界を作りたくて

世界を作りたくて

神になったつもりで

言葉を散らしていた

人に優しくありたいなら

黙ってそこにいればいい

歪な善意は導き続ける

求めた救いと反した奈落への旅路を――


心を傷付け狂いたいなら

大事なものを失えばいい

一つ一つの記憶も交えながら

人は傷付いたことも忘れて生きていくのだから――

 

見えない旅人が

先走る足音を聞きながら

ふと立ち止まった瞬間

振り返るべきか迷い

僕は空を見上げた

 

怖いほどに青い空は 風を纏いここに降りる

遠い日々の香りがする 闇に点る灯がゆれる

忘却の果てに辿り着く ただ一つの出会いは

なびく髪の蒼さに似た 過去の想いの幻影

 

失ったはずの記憶は どこまでも追いかけてくる

もう逃げない その代わりに一つの歌を歌おう

 

世界が消えるその時まで 大切にしていたいと

愛しいものを抱える その腕は血と涙が彩り

抱かれた少女は詠う 未来を視たその瞳で

痛みも苦しみも無いという 彼方への旅路を

 

この道の先に何が待っているのだろうか

僕はこの道の先に何を望む?

少女は眠りについた 炎が顔を照らした

詩編の先を照らすのは 眠った少女の唇

 

僕は神になりたくて世界を創る訳じゃない

壊す為に創造して 一つ喪失を背負って

けれども僕が生んだ少女をもう消すことはできない

誰かと歩いていく道を踏み出し始めたから

 

未来は僕が壊そうとも決して終わりはしないんだ――

 

ハジマリの終わり

終わりのハジマリ

 

―全て僕の望んだこと―